シンプリシティ フィリップデュフォー

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写真はフィリップデュフォーさんが作っているシンプリシティーという時計です。
別Verはこちら↓
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一応オーダー型なので注文はどちらも受け付けてたみたい。
非常に小さな工房で部品の一つ一つを手作りしており、その完成度は他の追随を許さないものとなっています。時計マニアにとっては喉から手が出るほど手に入れたい一品です。
手に入れたいけどもうオーダー受け付けてないので、本当に欲しい方は中古で探してねw

この時計、なにがすごいかというと、全ての部品の仕上がりが非常に美しい点です。
次の写真をみてください。(写真は全てどっかからもらってきたもの)
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これは時計の進み方を調整しているテンプという部品を押さえておくものです。バランスブリッジって名前。
エッジ部分に鋭い光沢を放つ部分があると思いますが、これを面取りといい、ある程度の高級品にはこのような仕上げが施されています。
しかし、大量生産された時計では、ルーペや顕微鏡で見るとその光沢は意外にも曇っており、肉眼で見ても本当の鏡面とは言い難いものが大多数です。
しかしこのシンプリシティーは、フィリップデュフォーさん自身が手作業で部品を完璧に磨き上げるので、ルーペや顕微鏡で見ても、確かに鏡面といえる鋭い輝きを放っているのが確認できます。
こっちは違う部品ですが、もう少しわかりやすいかと思います。
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ゼンマイを巻くときに「カチカチ」と鳴ってるパーツ。クリックです。
まるで鏡の様な光沢だと思います。参考までに、仕上げ前のものとの比較です。
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上がスチールの板から切り出しただけの状態。部品としての機能は、一応これでも果たせるんですが、ちょっと味気ないですよね。下が磨き上げた状態です。一目瞭然かと。

んで、あまりやりたく無かったのですが(どっかから怒られると思うので)
某社(かなりの有名メーカー)との比較
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上が某社で、下の画像がシンプリシティーです。ちなみにどちらも300から500万くらいだった気がします。高級時計としては値段的には大差ないレベルのもの同士です。
大量生産なんてこんなものなんですかね。少し残念。というか普通はこんな感じだと思います。
誤解されるとイヤなので補足しておきますが、この某社も少し昔のものはシンプリシティに匹敵するほどのクオリティーでした。本当に高級時計では頂点に君臨していたと思います。
この画像見て「何百万も出してこの程度かよ」って思うかもしれませんが、ふつうこんなもんです。シンプリシティーが特殊なだけなので、そこは間違えないでください。

あと最後に、この面取りなんですが、普通のものは一段しか面取りはしません。つまり、水平部分、斜面、垂直部分といった具合です。
しかし、デュフォーさんのシンプリシティーは二段、水平部分、斜面、斜面、垂直部分になっています。ある程度工作の経験がある人ならわかると思いますが、この場合、手間と難易度は単純に二倍ではなく、私の考えでは三から四倍になる感じです。

このページだけ人気なので他の写真も。堪能していってください。
ラチェットホイールとバレル、クリック
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ブリッジ
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バランス
時計の心臓部ですね。時間を正確にするための非常に重要な部品です。
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メインプレートダイアルサイド
あまり大きな穴が空いていないのも特徴です。剛性確保のためでしょうか。
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メインプレートムーブメントサイド
隙間無くぺルラージュ模様(うろこ模様)が施されています。
この模様、諸説あるのですが、見た目と、油が拡散したときにあまり広範囲に広がらないことを目的にしているらしいです。
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ラチェットホイール
歯先の一枚一枚まで綺麗に磨かれています。
ゼンマイを巻き上げる際に一番力のかかる部分なので、こうすることで(多分)耐久性は増すでしょうね。
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セッティングレバースプリング
竜頭を引き出したときにカチカチいう部品です。
操作感にすごく影響のある部品ですね。ちなみにわたしもロンジンのOVHでここに手を加えましたが、やはり本気で手を加えると差が歴然とします。
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シースルーバックから
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綺麗ですよね。
宝石とか貴金属の美しさとはとは違い、人間が手を加えたことで初めて鑑賞に値する状態になっています。
そう、ただの金属のブランクから人間の手で、ここまでなっているんですよ。それも作者が誠心誠意、自分のすべてを出し切っているからこんなにも美しいんだと思います。
最近はオートメーションでも結構綺麗なものが作れるようになったとは思います。でもなんだか味気ない…なんででしょう?
すこし考えましたが、スイスの工芸品であり文化である「機械式時計」を日本のそれである「刀」に置き換えてみると、その美しさの秘密がおのずと見えてくるのかなと思います。
正直、刀がオートメーションで作られてたら、ただの鉄の棒にしか思えなくなってきちゃうんじゃないでしょうか?あれって、職人が長い時間かけて、せっせと作っているからその工程の様も含めて美しいんだろうし、結果としても付随してああなっているんだと思う。

あと、例えばシンプリシティーの出来そのものはまったく変わらなくても、ディフォー氏の手が超速くて、「一日で100本くらいは作れるよ、楽勝さハハハ!」って言ったら、それもなんか微妙ですよね。
変な話ですが、大量生産の技術ってすごくて、やっぱり低コストでいいものが作れるようになってるんです。
いまどき手作業でやるのはやっぱり無駄なんですが、でもあんまりパッとしない無駄が逆に価値になっている、という。
人間の価値観ってやっぱり不思議なんですよ。こういう「無駄」とか「ぬくもり」とかよくわからないものに価値を見出してしまうんですもん。「ぬくもり」〜gにつき100円とかそういう尺度も存在しないですしね。

この時計って、今の時代に存在しているからこそ意義のある時計ですよね。
ちょっとロジカルになりすぎた私たちを、生き物としての「素」の状態に引き戻してくれる、そんな時計なのかなと思います。
Date: 2008.08.10 Category: シンプリシティ   Comments (1) Trackbacks (0)

この記事へのコメント:

qnakamura

Date2010.12.30 (木) 15:55:06

NHK BSベストオブベスト「独立時計師たちの小宇宙」(2002年の再放送)でデュフォーさん一家の仕事ぶりを見て、このページにたどり着きました。シンプリシティ、いつかは持ってみたい時計ですね。

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